COLLEGE MAGAZINE

インタビュー vol.3 谷口 勝英 准教授

「理科の楽しさ」を伝え、考える力を引き出す授業へ。

谷口勝英 准教授
COLLEGE MAGAZINE vol.3 Interview vol.3

理科が好きな子ども達を育てる。

――先生は主に理科に関する科目をお持ちだと伺いましたが、具体的にはどのような科目をお持ちですか?

私が担当しているのは、2年次に学ぶ「理科」と、3年次に学ぶ「理科指導法」です。
「理科って苦手だなぁ……」と思っているお子さんって、案外多いと思います。そんな子ども達にも「理科の楽しさ・魅力を伝えられる授業方法」を、一緒に考えながら学んでもらうのが、3年次の「理科指導法」です。

――理科って確かに、難しいイメージがありますね。私も苦手でした(笑)

実際に小学校の先生でも、理科に苦手意識を持っている先生って多いんです。
子ども達に理科の楽しさを伝えるためには、教える側が理科の面白さを理解していないといけません。ですから、まず学生の皆さんに、「理科って面白い!」と思ってもらうところから始めようと思っています。それが、2年次の「理科」の授業の、最も大きなねらいです。

――具体的には、どのような授業をされるんですか?

例えば、去年は金環日食がありましたので、「理科」も「理科指導法」も、金環日食について学ぶことから始めました。金環日食が起こる理由や、観察するときの注意点などを知るとともに、「理科指導法」では授業の中でどう生かしていくのかについても考えました。
今年は、11月に史上最大の彗星「アイソン彗星」がやってきます。肉眼で見られるばかりではなく、満月と同じくらいの明るさになるのではないかと予想されているほどの大きな彗星です。今年の授業は、このアイソン彗星について学ぶことからスタートしたいと考えています。

こどもたちの“考える力”を引き出す授業

――実際に授業内容を考えるって、すごく難しそうですね

ただ教科書の内容を教えたり実験をさせたりするだけでは、理科の楽しさを伝えるには不十分です。子ども達が課題を見つけて、解決方法や、そこから見つかった結果、結論について「考える」授業を作っていくことが大切だと考えています。そのためには、子ども達の「先行経験」を掘り起こして、それをどのように授業に取り入れていくのかを考えることもポイントの一つだと思います。

――「先行経験」というのは、どういったものを指すのですか?

「先行経験」というのは、子ども達が、これまでの生活や授業の中で経験してきたことのことです。例えば、「物のあたたまり方」の授業に関して言うなら、お鍋を火にかけると、鍋全体が熱くなりますよね。原理は理解していなくても、金属は火から離れている部分も熱くなることを、日常の体験を通して理解しているんです。そういった経験を「先行経験」と呼びます。
理科の授業は、こういった子ども達の経験を引き出すことから始まります。それをもとに子ども達が問題を見つけ、予想や仮説を立ててそれを解決していくことになります。
「理科指導法」の授業では、この流れを踏まえて、実際の授業の組み立てを、学生の皆さんと一緒に考えていきます。そして、最終的には、実際に教師が作る指導案の形に組み立てていきます。模擬授業のようなものも、出来たらやってみたいと考えています。なかなか難しくて、昨年はそこまで行けませんでしたけれどね。

――ただ“教える”だけではなく、子どもたちの“考える力”を引き出す方法を考えるのですね

そうです。そしてそれが、「理科が苦手」と思っている子どもたちが「理科って楽しいんだ!」と感じてもらえることにつながると思っています。

こども学部こども学科を受験したいと思っている学生さんたちへ

――先生は、この大学に赴任されて1年ほどだとお伺いしましたが

そうですね。1年ちょっと前まで、小学校の校長をしていました。管理職になるまで、25年ほど、小学校教員として子ども達の指導にあたっていました。

――小学校の先生を目指す学生さんにとっては、現場経験のある先生の指導はとても魅力的ですね!

この学科の多くの学生たちが、小学校の先生になることを目標にしていますので、とても熱心に話を聞いてくれますね(笑)。

――最後に、入学を希望している生徒さんたちに一言お願いします!

最初に申しました通り、「理科があまり好きではない」という子ども達に「理科って面白いよ!」と分かってもらえるような授業内容を一緒に考えましょう!というスタンスで進めていきたいと思っています。ですから、この2つの授業の中で、学生の皆さんにも「理科好き」になっていただくことができたらいいなと考えています。

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