COLLEGE MAGAZINE

インタビュー vol.30 野﨑之暢 教授インタビュー

東大阪大学短期大学部 実践保育学科 野﨑之暢 教授インタビュー

東大阪大学短期大学部 実践保育学科では、2024年4月より新たなコースを展開します。
今回は、ココシカの生みの親でもある 野﨑 之暢 教授にココシカに込めた想いと、新しいコースについて詳しく伺いました。
(インタビュー日:2023年6月)

ココシカ徹底解剖

―― ココシカのアイデアはどのように生まれたのでしょうか?

イラストはもともと趣味で描いていました。公募を見て、ぜひチャレンジしてみようと取り組んだのですが、最初は写真のiPadの画面通り、とても漠然としかイメージがわかなくて(笑)。でも、チャレンジするからには学内のいろいろな要素を取り入れたものにしたいなあ、と思案するなかで、吉岡学長が毎年4月に教職員向けに話しをしてくださる資料を見返してみたんです。
僕はメモ魔なので、これまで書き留めていた記録を読み返してみると、「東大阪大学は地域に根ざした学校、地域に対して配慮や貢献のできる養成を心掛ける」という主旨のお話しの記録が残っていたので、その想いを大学に棲んでいる鹿さんを使って組み立ててみよう、と決めました。

2年前に僕が実践保育学科の公式Instagramの担当になり、先生がたのご協力のもといろんな授業に入らせていただいたり、校内をネタ探しで歩いてみたり、学内の具体的な日常的魅力を知ることが多くなっていたのもうまく作用して、吉岡学長がおそらくおっしゃられたかったことを僕なりにキャラクター化できたように感じています。

―― 「ココシカ」という名前の由来は?

キャラクターができてから性格や名前を考えようと思っていました。僕は50代のおじさんなので(笑)、ダジャレのような、本気のような微妙なラインを狙ってみました。
この学校って良い意味でユルさ(柔軟性)があると思うんですよね。そのユルさ(柔軟性)がネーミングからも伝わればいいなって思ったときに、キャラクターとキャッチフレーズがセットになってたらおもしろいかも、とひらめきました。 それが「ここ」に「しか」ない学び、で「ココシカ」なんですけれど、1度聞いたら耳に残るデジャブ感というか(笑)。思いついてからは「もうこれしかないじゃん」的なインパクトが我ながらありました(笑)。

―― ココシカに込めた想いをお聞かせください。

投稿した際の説明文ではできるだけ簡潔に伝えるためにも、この学校は他にないオリジナルな環境があるよ、っていうニュアンスでまとめました。しかし本当は、この学校に集う学生さんに対してもお願いがあって。「ここに来るなら、自分らしく学ぼうと強く思って来てね」「しっかりと夢を追う気持ちでおいでよ」という期待です。

物事にはバランスや相互作用っていうのが必ずあると僕は思っていて。いくら良いハコがあったって、それをおもしろがって使う人がいなかったら、良いハコとは言えないです。ただのハコです。「東大阪大学+東大阪大学短期大学部」という良い環境のハコを使いこなしてやろう!という意欲のある学生さんであふれてくれないと完成しない。言い方を変えると、これまでの自分の歩みだったり、これまでの成績に自信がないっていうかたも、「ここでがんばって社会に出る!」という強い気持ちで来てくれれば、この学校はいくらでもサポートする機動力を存分に発揮します。「ここでがんばってみたい想い」を本学の教職員はあたたかく受け止めて、その想いを2倍にも3倍にもして結果につなげる努力をしてくれます。ここは人間味あふれる教職員が多い学校だと思いますよ。その懐の深さもココシカの姿から感じてもらえれば嬉しいですよね。

目に見える学力的な数値などで自信が持てないと、ちょっとすねた考え方をしてしまうかたもいらっしゃるかもしれませんが、高等教育では「気持ち」や「人柄」が大きく作用して、やりがいのある未来につながることも多くあります。この仕事をさせていただくなかで、たくさんの学生さんたちに出逢ってきましたが、その「ちょっと勇気を出してやってみようかな」ということを意識できたかたって本当に良い方向へと進路が拓けていく感じなんですよ。高等教育って、もう一回やり直しがきく場所とも僕は思っています。だからこそココシカは周囲を見渡す姿を基本姿勢にしました。人によっては「見守る側」に見えたり、もしかしたら「見渡す側」に見える人もいるかもしれません。作者としてはどちらも共存させたつもりなので、最終的に豊かに社会とつながる学生さんたちがはばたくきっかけとしてのシンボルになってくれたら嬉しいですよね。

―― ココシカのこれからの展望は?

在学生はもちろん、他校の先生からもココシカのことを聞くことがあります。学内ではこのカット写真のようにぬいぐるみや紙細工にしてくださったかたも複数あって、想像以上の浸透具合をとても嬉しく思っています。 今回のような「何周年記念の企画」って、その多くがイベント期間で完結してしまうところが多いように思うんですよ。でも「ココシカ」はなんかわからんけど居続ける、なんか自然にそこに居る、そういうキャラになっていってくれたら嬉しいです。
学校には学園訓など文字やシンボルとしてその校風を表現されているものがありますが、校風がキャラとして残りつづけても良いように思います。まずはオーキャンのグッズになる野望が叶っただけでも嬉しいんですけどね(笑)。
これまでの公式キャラ「カモモ」のテイストや色味を意識的に受け継がせた新キャラだけどエモさもある「ココシカ」です。どうぞ末永く愛していただければ(笑)。

個性や環境に合わせた学びで、諦めることなく夢を実現できる

―― 2024年から始まる「長期履修制度」について詳しくお聞かせください。

本学の「長期履修制度」は、生活スタイルに合わせて学び方を選ぶ、というコンセプトです。 2年制の学費で3年間在籍でき、資格・免許も2年制と同じように取得できます。授業は基本的に午前中に集約しますので、午後の時間帯をご自身で自由に使えます(注:実習や集中講義などは午後の時間帯にも開講される科目が一部あります)。
例えば、経済的に4年制が厳しかったり、4年間という長期間の学習に耐えられないなど、それぞれに抱える問題があってしかたなく短期大学を選ぶ学生さんもいると思います。しかし、そもそもその選ぶコースが2択しかない状態が現代の学びのニーズに本当に合っているのか?というところに一石を投じた感じとも言えるでしょうか。
学校としても午後の時間のより充実した活用の提案法を検討中ですが、現場の先生がたからは有償ボランティア、というボランティアだけどアルバイト的な形で継続的に雇用できるようなシステムを持っているところも増えていると聞きますので、そういうところと連携しながら過ごすことも良いのではないのかな、と話しています。

保育という現場はチームワークの仕事なので、何か自身の中に核となるものができあがらないと、なかなか続けられないところもあったりします。
2年制で卒業して早めに働くことに性格が合っていれば良いのですが、すぐに辞めてしまうかたも実際にはいるわけで。もう少し熟考する時間が必要だったかも、と振り返るかたもいらっしゃったりします。
また、スキルはあるんだけれども生活パターンがついていけないから進学をあきらめるかただったり、フルタイムで勉強するのが苦手なタイプのかただったり、今まで何かご自分の中で無理だと諦める要素を抱いていたかたにとっても学びやすい環境になるのが3年制だとも思います。
2年制への選択も、3年制への選択も、結果的にどちらも正解だし間違いはない。ただ、あなたに合っているのはどっちだろう? この「長期履修制度」には、多様性の社会のなかで最終的にどのような選択をして社会に出たいと思っているのか、自分と向き合いながら学び方を決める一助になってほしい、という願いに近いものもあると思っています。

―― 3年間という期間について、生活スタイル以外のメリットはありますか?

僕はここ東大阪大学短期大学部に来る前に、専門学校の教員として20年ほど勤めていました。
専門学校は基本、保育士資格しか取れないので、幼稚園教諭免許を取得するためには、どこかの短大とコラボするところが大半です。そのなかで前職では2年で保育士資格、そこに1年プラスして幼稚園教諭免許を取得するコースを企画して運営していました。そこに所属していた学生さんたちは2年にプラスした1年の段階で本当に顔つきが変わっていたんですよ。こう、単純に期間が長くなったというより、1年で何か熟成されるイメージに近かった印象です。
今はまだ始動していないので、期間の違いくらいしか言えないんですけれども、実際に動かしてみると、その差は歴然とすると思います。

やる気があれば、学校側もそれに応えることができます。「この分野についてもっと深く勉強したい」「現場とつながってやりたい」などという意見が出てくれば、必ず一緒に模索できる3年制。
+αの部分はこれから学校として取得できる資格などを増やすかもしれないし、ご自身で企画するものをサポートすることもあると思いますが、少人数制だからこそ様子を見ながら提案したり構築したりもできるのかな、と思っています。どんな作用が生まれるのか、僕自身も楽しみにしています。

―― 保育の現状について思われることは?

近年「保育は大変」って刷り込まれてしまった感覚がありますよね。でも現場を見てくださいよ。長年続けて楽しく働かれている先生も目立ちます。この仕事に魅力があるから続けられている存在を無視しないでほしいです。
子育てだってもちろん大変です。でも、我が子から得る想いは何ものにも代えがたいとてつもない喜びにあふれていることを知っている人も大勢いるわけで。
最初のほうでもお話ししましたが、私は物事にはバランスや相互作用があると捉えるタイプです。大変なだけの場所なんて本当にあるんでしょうか?現場の魅力を存分に発信しきれていない養成校や研究会などにも原因はあるのでしょうが、もっとフェアに広く関係者の話しを聞いてアナウンスされたら良いのにと強く思っています。

―― 先生の思う「働く」とは?

僕は専門学校などいくつかの仕事を経てここ、東大阪大学短期大学部にいます。もしかしたらこの記事を読まれているかたも複数の仕事を経験してこられているかたもいらっしゃるかもしれません。転職するにはさまざまな理由がありますが、少なくとも僕の前職は僕がいなくなったからといってつぶれていません(笑)。それって言い方を変えると、仕事って誰がやってもつないでいける要素もあるんだということです。でもだからこそ僕は「今ある仕事を自分なりに知って、よく楽しもう」と考えます。仕事は選択するだけでなく、ご縁でもあると思っています。与えられた仕事を精一杯楽しもうとする姿勢をもつことは、おとなの嗜みなんじゃないのかな、と。
しかし、先ほどふれた公式Instagramの運営には本当に手こずりました。機能やら作用やら、わからないことばっかりだし、時間かかるわめんどくさいわで(笑)。でも、これだけ根強く話題になるアプリだし、とりあえず1ヶ月だけでもがんばってみるかと悪戦苦闘して気づけばはや2年(笑)。未だに試行錯誤ではありますが、やってみてソンした感じはないです。この歳で純粋に発見することってなかなかないですもん。 人生の中で結構多くの時間を過ごすのが職場です。僕は「職場は自分で作るもの」だとも思っています。そもそも僕にぴったりの職場をあつらえてもらえるほど僕は立派でもないし有能でもない(笑)。働くって、その場所を好きになる努力を自分がしなきゃバランスが取れないところなんじゃないかなぁ。この感覚って昭和すぎますか(笑)?

―― 最後に、進学を考えているかたへのメッセージをどうぞ

やっぱり子どもを愛してくれるかたに来ていただきたいです。だって、あなたに逢いたい子どものために仕事するんですから。
本学のスタンダードプランである2年制も、新コースの3年制も、100%、就職につなげられます。そして経験を積むほどに選択肢も増えるのがこの業界の特徴だったりもします。だってこの社会は子育てに悩む人に寄り添える人を求めているからです。
2年制と3年制、期間の差はありますが、深める意欲があれば、どちらを選んでもメリットはあります。
あなたが自身の生き方を磨くことで、保育はもっと素敵になる。自分が充実する選択をすることで、周りを明るく照らす関係性もできあがってきますものね。
自信はなくても、ちょっととりあえずやってみようかな?という「とりあえず」という言葉が今の僕はとても大好きです。「とりあえず」って、何かが動き出す魔法の言葉かもしれません。動き出しさえすれば、可能性は必ず広がるものですから。
まずはオーキャンなどで学校を直接、見に来てくださいね。地域最小級の学校だけど(笑)、その把握しやすいサイズ感が好きな人、実は結構いるんじゃないかなぁ。


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