COLLEGE MAGAZINE

スポーツ強化クラブ紹介 -陸上競技部 編-

スポーツ強化クラブ紹介 -陸上競技部-

第1弾で紹介しました硬式野球部は、この秋にリーグ優勝し、二部に昇格しました!

今回は、日本トップクラスの選手を多く輩出している陸上競技部です。以前のカレッジマガジンでもインタビューさせていただきました。

COLLEGE MAGAZINE Vol.48
佐藤友佳さん・津田シェリアイさん・川田朱夏さんインタビュー

「日本一」を目指して柿内部長の指導を希望し、入部してきた学生たちと、その目標を実現させるために努力する学生たちを支える先生たち。
駅伝部も発足から2年目を迎え、将来を見据えて活動を拡げています。

2023年度キャプテンの有廣璃々香さん、2023年度副キャプテンの窪美咲さん、顧問の柿内貞宣部長、冨山朝代監督にお話を伺いました。

2023年度 キャプテン
こども学部 こども学科 3年次 有廣璃々香さん

―― 陸上競技をはじめたきっかけは?

小学生の頃にサッカーの女子ワールドカップが開催されていて、なでしこジャパンが優勝したしたのをテレビで見ていました。それに感動して、よくサッカーをして遊んでいました。しかし中学に入学したら、女子サッカー部はありませんでした。
走るのはずっと好きで、友達がみんな陸上競技部に入ったので、消去法ですが陸上競技部に入部したのがきっかけです(笑)。
最初は100mをメインでやっていましたが、冬に駅伝(中学生は2km)があり、人数が足りないということで、助っ人として走りました。その時に長距離のコーチから「800mの方が向いてるんじゃない?」と言われたのがきっかけで試合に出てみたら、自分でも「100mより800mの方が向いてるな」と感じ、そこから800mという種目に変えました。

―― 東大阪大学を選んだ理由は?

自分の地元は福岡で、中学生の時に陸上競技をしていくなかで「日本一になりたい」という気持ちが芽生えてきて、ちょうどその時に一番強かったのが、東大阪大学敬愛高等学校(以下、敬愛高校)でした。目標を実現するためには、敬愛高校でリレーのメンバーになれれば、おのずと日本一に近づくと思っていました(笑)。なので、親元を離れて高校は大阪にある敬愛高校に入学しました。

高校3年生の時、最後の全国大会で800mに出場し念願の日本一になることができました。広島で開催されていたので、家族も見に来てくれました。本当に嬉しかったですし、そこで初めて陸上競技のなかで満足できました。
そして、今後のことを考えた時に、近くに家族がいない不安な状況下でも、先輩や先生、友達や友達の家族が見守ってくれたからこそここまでやってこれたので、この環境でもう4年、陸上競技ができたら安心だと感じ、東大阪大学に進学を決めました。

―― 陸上競技のおもしろさを教えてください

私がメインでしている800mは「陸上競技の格闘技」と言われています。
100mのようにスタートからゴールまで自分のレーンを走る競技とは違い、スタートして120m進んだ先からオープンレーンになるときの選手同士のかけひきや、レース途中で前に出ようとして体を押しあったり、激しく、スピード感もあり少しも気が抜けません、ちょっと危ないくらいです。
もちろんレース展開など考えることもいっぱいあります。例えば自分がこの組で一番速いなと思ったら、最初からとばして逃げ切り型でいこうと決めたり、相手が最後にスピードを出せる体力ある選手だったらそのスピードに対応できるように自分が先にスパートをかけて走ろうと考えたり、レース中も常に作戦を練っています。

―― 来年度はキャプテンですね。目標をお聞かせください

現在、大阪インカレで二連覇しているので三連覇することです。リレーに関して、今の4年生が中心のメンバーだったので、戦力が欠けてしまうのですが、私はこだわってやっていきたいと思っています。
また、個人としては、自己ベストを出すこと、日本インカレで決勝の場で走ることです。
陸上競技は2023年度で引退すると決めています。柿内先生にも高校から含めて7年間お世話になっているので、恩返しの気持ちも込めて、最後は結果を残して、気持ちよく引退できたらいいなと思っています。

―― 東大阪大学 陸上競技部のいいところを教えてください

他の大学に比べて少人数ですが、少ないからこそ学生同士の距離も近いので、一人ひとりが今どんな状況で頑張っているか、わかるところです。
そして、柿内先生は何でも助言してくださるので、そこを信じて行けば絶対間違いないと思います。私たち学生にとってはとても心強い存在です。

―― 今後の進路についてお聞かせください

小学校の先生になりたいと思っています。
自分が小学生の時、学校がとても好きで、休みなんかいらないくらい毎日学校に行きたかったです(笑)。
将来は、人と関わりのある、毎日変化のある仕事に就きたいなと思っていて、東大阪大学で小学校の教員免許も取れるので、そのための授業も受けています。
9月に実習へ行った際には、すごく充実した時間を過ごすことができました。
子どもたちにとって、先生が休み時間に一緒に遊んでくれることが一番嬉しいとそのとき聞いたので、私はいっぱい遊んであげられる先生になりたいです。
陸上競技には、自分が引退しても関わっていたいという気持ちはあるので、指導という形などで違う楽しみ方でも携わっていけたらいいなと思っています。

2023年度 副キャプテン
こども学部 こども学科 3年次 窪美咲さん

―― 陸上競技をはじめたきっかけは?

小さい頃から運動することが大好きでした。
小学生の頃に、両親から勧めてもらい陸上教室に通いだして、そこからすごく楽しくなり、中学校から本格的に取り組み始めました。
中学生の頃は目立つような選手ではなく、府の大会に参加するので精いっぱいでしたが、チームとしていい環境の中で競技に取り組めたので、毎日楽しかったです。

―― 東大阪大学を選んだ理由は?

中学高校ともに駅伝メインにトラックも出場するという形で、800mから3000mにも取り組んでいました。

私はずっと、長い距離に対しての苦手意識がありましたが、800mと1500mは、自分のなかで楽しいと思えるところがあり800mをメインでやると決めてからこの東大阪大学で柿内先生の指導を受けながら競技していきたいという気持ちになり、東大阪大学へ入学をしました。

―― 来年度は副キャプテン、また駅伝メンバーでもあります。目標を教えてください

個人としては、大きな大会に出場するだけではなく、結果を残して入賞できるような記録を出したいと思っています。
日本インカレで3位以内に、日本選手権では決勝に残り自分のベストな走りをすることが目標です。
チームとしては人数が少なく大変なこともありますが、団結力もその分あるので、対校戦では全員が今年以上の結果を出せるようにします。
駅伝は仲間とタスキを繋いでいくということが、見ていても走っていてもいいなって思います。長い距離を走ってるのに、タスキを渡す時に笑顔になったりして。そこが好きです。なので、来年は今年以上の結果を求めていきます。

―― 東大阪大学 陸上競技部のいいところを教えてください

上下関係はそこまで厳しくなく、みんなが気を遣わずに話しができる環境だと思います。
先生たちは私たちのことをすごくわかってくれていて、気になったことや自分が理解できないことは、先生に伺ったら教えてくださるし、聞いたこと以上にアドバイスをくれます。
たまに言い合いにもなるんですけど(笑)、でもそこも含めて理解してくれています。私みたいに中学生で結果を残せていなくても、継続することで絶対結果も残せるし。東大阪大学は、毎日楽しく部活動できる場所です。

―― 今後についてお聞かせください

大学卒業後も陸上競技は続けます。小学生の頃はここまで続けるとは思いもしませんでした。
自分が陸上競技をしていないところを今は想像できないくらい、すごく楽しいです。
しんどいことの方が多いですが、想定したレース展開ができた時や、設定した目標が達成できた時は嬉しいですし、陸上やっててよかったなって思えます。

顧問 冨山朝代監督、柿内貞宣部長

―― 冨山監督は、中学生の頃から柿内部長の指導を受けていたとのことですが

冨山 自分の中学の恩師と柿内先生がお知り合いで、当時何度か柿内先生のいらっしゃる中学校に練習に行かせていただきました。そこですごいメニューで練習している中学生がいるんだと衝撃を受けたのを今でも覚えています(笑)。
例えば、ウォーミングアップで懸垂逆上がり10回とか、そりに25kgの重りをつけて走っていたりとか。こんなトレーニングメニューあるんだ!と。 私が今までやってきた練習は、はたして練習と呼べるものだったのか、と考えさせられたり、「ここまでできるようになったら、これだけ速く走れるようになるんだ」と、わかりやすくご指導していただいたことを覚えています。

その後、柿内先生が敬愛高校に赴任されて「一緒にやらないか」と勧誘していただきました。
その際に「君だったら絶対日本一になれる」と、それを聞いて「あ、私でも日本一になれるんだ!」って思って、その言葉を信じて入学しました。高校2年生のインターハイでは2番になり、「先生の指導を信じてよかったな、来年もがんばろう」と努力しましたが、高校3年生での結果は2番に終わりました。しかし、モロッコで開催された世界ユースという大会の日本代表に選ばれたり、いろんな経験をさせていただきました。
ただ、1番にはなれなかったから、何が何でも1番っていう記録を作ろう!と思い、秋に行われていた参加標準記録を満たしていれば、シニアもジュニアも出られる大会があり、柿内先生に「がんばりたい」って伝えたら、「じゃあ高校記録を作ろうか」ってチャレンジする機会をいただきました。
結果、高校記録には届かなかったんですよ。しかも当時その高校記録を持っている選手も柿内先生の教え子で(笑)。記録を越えることはなかったんですけど、日本ユースという18歳以下の日本記録は更新することができたので、ようやく柿内先生の言葉通り「日本一」という証ができました。そこで初めて柿内先生に握手していただけたんです。先生はいつも「おめでとう」という場面では握手をしているんです。「あ!やっと握手してくれた!」っていう気持ちでしたね(笑)。
メダルをもらったことよりも嬉しかったのを、今でも覚えています。

―― 有廣さんも「日本一」を目指してここに入学しましたし、冨山監督にも「日本一になれる」と断言されていましたが、その指導方法は?

柿内 できるかぎり運動量を多くするということを大事にしています。朝昼晩と練習することが効果的だと思っていて、そうすると1日でもかなりの運動量になる。一回でできる量はそんなに多くできなくても分ければできる場合もありますし。
一般的な練習方法は完全休息型なんです。でもここは不完全休息型。不完全休息型でないと、運動をより続ける、よりレベルを上げる、ということが難しいと感じています。1回休憩をとると、またウォーミングアップから始めないといけないですし。
また、新しく入ってきた選手たちへは、これまで強い先輩たちはどのようにしてそのレベルまでたどりついたかという話をよくします。強い先輩が、このレベルの時はこういう練習をしていた。できなかったことがここまでできたから日本一になった。だから今のあなたの段階では、ここまで到達するようにがんばればいい、というようにその都度アドバイスを送ります。
常に自分の目標を持っていれば、日本一になれる。

冨山 特別なことは何もなくて。続けていったことが結果に繋がるし。「日本一になれる」と言われて、初めて自分の特別さに気づくことができたという意味でも柿内先生には感謝しています。

―― 指導の中で意識されていることは?

冨山 陸上競技は数字として記録に出ます。他人の評価に左右されないんです。指導する際にはどれだけ自分を信じて自分の好きを伸ばせるか、個々の人間的な魅力も、陸上競技を通して獲得していってほしいと思っています。
人間って自分に甘いし、努力しようと思ってできるものでもないし。努力ってすべてが実らないじゃないですか。1番になれるのは一人だけだし。でも、信じて続けることが努力だと、柿内先生はそういう意識を指導の中に入れておられます。何であれ、一生懸命がんばって取り組もうとしている選手たちは素晴らしいし、そういった選手たちが集まれば、素敵なチームになると信じています。

―― 発足した駅伝部についてお聞かせください

冨山 今年で2年目となります。関西女子駅伝では1年目は12位、今年は11位とひとつ順位を上げることができました。窪さんは1区で区間入賞もしました。
もう少しで全国大会への切符に手が届くところにあるので、今は上位入賞を目指して取り組んでいます。

柿内 将来を見据えて、いま基盤を作らないと後はないと感じ、駅伝部を発足させました。
10年後には関西で優勝をしてほしいし、全日本でも活躍してほしいと思っています。

―― 陸上競技の魅力とは?

柿内 努力すれば強くなる。そして強くなった時に、勝つためにどういう戦法を使うか。それに合わせてどこを鍛えて強くしないといけないのか、それらを考えて練習させています。
順位のつく競技会では、相手との勝負ですから、相手より勝るところを見つけないといけない。やはり、負けないようにさせることに対しては、指導のし甲斐がありますね(笑)。例えば、全国大会にも出たことのない、ランキング的には100位程度の中学生が敬愛高校に入学し、陸上競技部でトレーニングを積んで高校1年生で80位、2年生で30位、3年生でトップレベルの5位くらいまでいって、そのまま東大阪大学に入学して、大学で優勝。さらに、そこから世界に羽ばたいていく。日本一は夢ではないですね。


柿内部長のお話を聞いていると、本当に「日本一」とは夢ではなく、手の届くものなんだ、という気持ちになりました。
それほどの自信を与えてくれる、指導に実績のある柿内部長と冨山監督のもと、2023年度キャプテンの有廣さんと副キャプテンの窪さん、その他の陸上競技部のメンバーたちの活躍が楽しみです!

大会は4月から始まります。生で観戦してもらえたら、きっと陸上競技のおもしろさが分かってもらえると思う、と冨山監督の言葉もありました。
ぜひ観戦し、一緒に応援してみませんか?

2023年度 主なスケジュール

  • 2月19日(日)
    第3回全国招待大学対校男女混合駅伝競走大会(ヤンマーフィールド長居・長居公園周回コース) 出場者:関西学連混合チーム(こども学科 窪美咲3回生)
  • 4月(未定)
    大阪学生陸上競技対校選手権大会
  • 4月21日(金)~23日(日)
    2023日本学生陸上競技個人選手権 (神奈川県 レモンガススタジアム)
  • 5月3日(水)
    第38回静岡国際陸上競技大会(静岡県 小笠山エコパ)
  • 5月6日(土) 7日(日)
    第10回木南道隆記念陸上競技大会(大阪府 ヤンマースタジアム長居)
  • 6月1日(木)~4日(日)
    第107回日本陸上競技選手権大会・第38回U20日本陸上競技選手権大会(大阪府 ヤンマースタジアム長居)
  • 6月(未定)
    第100回関西学生陸上競技対校選手権大会(大阪府 ヤンマースタジアム長居)

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