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栄養士を目指す人が実務レベルで学べる『給食管理実習』レポート

栄養士を目指す人が実務レベルで学べる『給食管理実習』レポート

健康栄養学科2回生になって初めて経験する「給食管理実習」。
栄養給与基準量の設定から、献立の作成、発注、120名分の給食大量調理、損益計算、報告書までの一連の流れを、実践で身に付けることが目的です。今回は、実習の具体的な授業内容を紹介。さらに、栄養士の道を目指して最近就職が決まった「健康栄養学科」2年生の湊さんの話も聞くことができました。栄養士を目指している皆さん、是非一読ください!

給食管理実習 今回の献立

今回の献立

・さつまいもご飯
・豆腐ハンバーグ
・しじみの味噌汁
・ごぼうのきんぴら
・フルーツゼリー

管理栄養士班、栄養士班、下処理班、炊き場班、調理補助班、洗い場班の6チームに分かれ、ローテーションしながらの実習

管理栄養士班、栄養士班、下処理班、炊き場班、調理補助班、洗い場班の6チームに分かれ、ローテーションしながらの実習

実習風景管理栄養士班指揮の中、実習開始。

「給食管理実習」では実際の給食現場を想定し、最大120人分へ提供する給食を作ります。栄養給与基準量を設定して、目標値に達するように何度も栄養計算し献立を考えます。
更に現場では、6チームに別れ、その日の献立の担当班が管理栄養士となり、調理現場を動かす指示を出し、円滑に調理を進めていきます。教員は現場の監督だけを行い、基本的にすべて学生だけで実習が行われます。

実習風景 下処理班、時間までに全ての食材の準備を整える。

調理を行う前の下処理として、大量にある食材のカット、小分け、計量など、的確に素早く準備を整えます。調理カードを参考にするなど、いかに効率よく作業できるかがポイントになるので、前もって授業で作り上げておく必要があります。実際の現場でも通用する力を身に付けるよう、日頃、調理実習で身に付けた技術を生かしながら作業します。

実習風景 炊き場班、調理補助班が人数分の食事を一斉に調理。(栄養士班は食材の検品や、盛り付けを担当)

この給食管理実習は各チームの連携がとても大切です。レシピや工程表を元に、各班、正確さとスピードが求められます。調理実習室の設備は現場で使われているものを導入しており、それらを活用し、大量調理マニュアルに沿った流れで調理を行います。また、機械だけに頼らず、最後は人の手で作り上げていくという経験、そして美味しさや見た目にもこだわるなど、様々な知識や技術を現場レベルで学びます。

実習風景 洗い場班が人数分の食器洗い。

食事の盛り付け準備や食事が終わった後は、全員分の食器類を洗浄します。ここも現場を想定して、スピーディーかつ綺麗にということが要求されます。そして、最後に厨房の掃除を全ての班で行います。料理は人の口に入るものなので、食中毒を起こすようなことがあってはなりません。調理場、食器類から調理器具いたる所まで、常に清潔さを保つように徹底します。

自分たちが調理した料理は、食べる人の気持ちに立って、味わい、評価する。

自分たちが調理した料理は、食べる人の気持ちに立って、味わい、評価する。

製菓実習まとめ写真

試食が終わった後には全員でその日の評価を行います。家庭の調理と大量調理の違いなど実際に体験しないとわからない事を現場で学び、その日の反省を生かして次の実習に生かします。実習中に次回の管理栄養士担当班が発注業務をし、後にも損益計算が待っているなど、実際の目まぐるしい現場の栄養士業務の流れで作業を行うのでその日はヘトヘトになりますが、とてもやりがいのある実習です。集大成でもある120食提供に向けて着々と段階を経て知識、技術を身に付け、学外実習に挑みます。

給食実習室 「給食管理実習室」ってどんなところ?

東大阪大学短期大学部では、目的に応じて調理室を使い分けています。1つは主に1年生のときに使う「調理実習室」で、調理の基本を学びます。もう1つが今回利用した「給食管理実習室」です。エアシャワーや大量調理用の調理器具など、実際の給食調理の現場と同じ設備で本格的に学ぶことができます。約150食分の給食を1度に調理できる環境が整っています。

就職インタビュー/「栄養士になりたい」気持ちをサポートしてくれる学校 東大阪大学短期大学部 健康栄養学科 2年生 湊 優衣さん

就職インタビュー/「栄養士になりたい」気持ちをサポートしてくれる学校 東大阪大学短期大学部 健康栄養学科 2年生 湊 優衣さん

実習風景

充実した設備と親身になってくれる先生たち。この学校なら栄養士になって働けると思いました。

実は高校生のとき、ギリギリまで志望校を迷っていました。でも何か資格が欲しいと思い、それで自分の好きなものは何だろう?と立ち止まって考えたとき、「料理すること」と「食べること」だと、調理師を考えましたが、調理師だと作るだけと思いましたので、栄養士なら栄養や身体のことを考えながら調理すると思い、栄養士の道を選ぶ事にしました。
高校生の頃は、いろんな短期大学や専門学校のオープンキャンパスに参加しましたが、この学校の設備が一番充実しているのと、何より先生方が親身になって相談にのってくださったことが決め手になりました。ちゃんと栄養士の資格を取って卒業できるのかな?学校側はサポートしてくれるのかな?と、当時はとても不安でしたが、先生方は私の質問に全部しっかり答えてくださいました。それがとても良い雰囲気だと思いました。実際に入学してみても、そのときの印象のままでした。就職活動もしっかりサポートしてくださったおかげで、私は来年から病院で栄養士として働くことが決まりました!

実習風景

毎週、実習があります。学校で習っていたから、現場でもすぐに対応できました。

東大阪大学短期大学部は、実習がとても多いことが魅力の1つです。1年生のときは週に1回、2年生のときは週に2回、必ず実習があります。1年生のときに基本的な調理器具の使い方や、調理の方法を学びました。2年生になってからは、給食管理実習室で現場と同じ設備で実習をしています。先日、就職先の病院に3日間の研修に行きましたが、学校と設備が同じだったのでスムーズに作業を進めることができました。

実習風景

“身体に良いもの”を提供していきたいです。

実務経験を積むと、管理栄養士の試験を受けることができます。患者さんのために栄養指導ができる管理栄養士になりたいです。スーパーやコンビニで販売されている商品の中にも、添加物などが沢山使われているものがあります。そういうものの少ない、健康な身体づくりに貢献できるような料理を提供できるようになりたいと思っています!

大切なのは“最後まで諦めない”こと 東大阪大学短期大学部 健康栄養学科 山崎 永美子先生

大切なのは“最後まで諦めない”こと 東大阪大学短期大学部 健康栄養学科 山崎 永美子先生

指導風景

健康栄養学科では、現場に出て戸惑わないような授業内容を考えています。特に本格的な大量調理を学べる「給食管理実習」は学生からも人気があります。
実習で知識だけでなく技術も身に付けた上で、学外に出て実際に現場で働く事で、栄養士としての自覚や自信もつくようになり、それと同時に学校できちんと学ぶ事で資格も取得できます。
最近、現場でも実践的な技術を身に付けている「栄養士」の需要は高まっています。
2年という短い期間で沢山の事を身に付けるのは、心も身体も大変だとは思いますが、資格が裏切る事は決してありません。毎年「栄養士になりたい!」と強い意志を持って頑張っている学生は、きちんと就職を決めて卒業していますので、大切なのは、最後まであきらめないこと。このような強い気持ちで行動すれば、なりたい自分に近づく事ができるはずです。就職してもさらに上のレベルを目指す学生に対しても、そのまま進学して管理栄養士を目指す学生に対しても、私たち教員が、学生の「なりたい!」という強い気持ちを、全力でサポートします。


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