イヌの介護~パート3~

7月のある日、行きつけの獣医さんが長寿のイヌの表彰を受けられますかとの話。そんな表彰があったのか。イヌで16歳以上(大型なら14歳以上)とのこと。そのペットの生年の証明を獣医が出し、当該イヌの写真を添えて提出するという。我が家の老犬ハリスは19歳。ここまで頑張っているのだから、表彰ぐらいは受けてやろうと申請。表彰日は動物フェスティバルが行われる9月20日(敬老の日)とのこと。

獣医さんへ行く際、歩くのは無理なので、手押し車(ペット用の乳母車のようなもの)に乗せての移動。向こうからダックスフンドが、飼い主に連れられて歩いて来た。よく見ると、後ろ足には車輪を付けており、前足で器用に移動している。ともに介護器具に頼る高齢犬。そのペットを連れている飼い主、そして私も高齢者で、まもなく自らも介護される身となる。

盆が明けた頃から寝たきりになった。餌を与えるときには、私の膝の間に体を挟んで、ずり落ちないように支えて、餌を私の掌に乗せて口元に持っていってやる。寝たきりに退屈するのか、精神的に不安になるのか、痴呆が進んでいるのか、前足を動かしたり、大声で唸るというか、鳴く。それは、ワンワンという声ではない。色々手を尽くしてもやまない。近所にも迷惑をかけるので、庭の犬小屋から屋内に移した。畳に大きなナイロンシートを敷き、さらにペット用のシーツ敷いて、鳴いているときは部屋の雨戸も下ろす。暑い時は、クーラーも一日中付けっぱなし。獣医さんからは、通常の薬とともに、精神安定剤、睡眠導入剤をもらっている。ときには座薬を。獣医院では、よく似た症状の高齢ペットがいる。高齢になると、こうなるそうである。寝たまま大小便をするので、その都度、体を拭いてやったり、体を裏返したりである。長寿表彰の申請はしたものの、その日まで生きているのは無理だろうと思っていたのだが、その日を迎えることができた。

表彰会場である大阪市中央公会堂は、飼い主(ペットの引率不可)、そして一般見学者で賑やか。獣医師会会長の挨拶では、“長年家族ともに愛情に包まれて長寿に達した。しかし、これからが飼い主にとって大変である。高齢になればなるほど、いろいろな問題が出てくる。最後まで愛情を持って接して欲しい”と。最長寿のイヌ、猫が表彰を受けた。壇上で表彰を受けたのは本人(?)に代わって25歳の猫、20歳のイヌの飼い主である。

今では、さらに衰えて、以前ほどには大声ではないが、時々、鳴く(唸る)。それでも、傍へ行って声をかけたり、体を撫でると鳴きやむ。先日も、夜の11時頃に鳴き出したので、そばへ行って、2~3分、顔をなでてやっていると、そのまま眠ってしまった。でも、いつもこんなことをしておれない。夜中には2回程見にいってやる。そして、大小便をしていればシーツ交換をする。食事も、噛まなくてもいいくらいの餌をスプーンで口の奥へ入れてやる。床ずれも出来ている。

学生の頃から犬を飼うことには慣れているとはいうものの、長生きすればするで、これまた大変である。ペットの面倒を最後までみるのは、飼い主の責任である。私は、まだ元気だから大丈夫だと思っているが。いずれにしても、ペットを飼うには、自らの歳と体力を計算して飼うことの大切さを実感している。我が家には、あと2匹いる。9歳と4歳である。4歳の方が、もし、これから15年生きるとすると、わが身もどうなっているやら。健康には留意しよう。

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